金の斧 銀の斧 正伝
<イソップ童話>
むかしある男が、川のそばで木を切っていました。
ところが手が滑って、持っていたオノを川に落としてしまいました。
男は困ってしまい、シクシク泣きました。
オノがないと、仕事が出来ないからです。
すると川の中からヘルメスという神さまが出て来て、ぴかぴかに光る金のオノを見せました。
「お前が落としたのは、このオノか?」
「違います。わたしが落としたのは、そんなに立派なオノではありません」
すると神さまは、次に銀のオノを出しました。
「では、このオノか?」
「いいえ。そんなにきれいなオノでもありません」
「では、このオノか?」
神さまが3番目に見せたのは、使い古した汚いオノでした。
ところが手が滑って、持っていたオノを川に落としてしまいました。
男は困ってしまい、シクシク泣きました。
オノがないと、仕事が出来ないからです。
すると川の中からヘルメスという神さまが出て来て、ぴかぴかに光る金のオノを見せました。
「お前が落としたのは、このオノか?」
「違います。わたしが落としたのは、そんなに立派なオノではありません」
すると神さまは、次に銀のオノを出しました。
「では、このオノか?」
「いいえ。そんなにきれいなオノでもありません」
「では、このオノか?」
神さまが3番目に見せたのは、使い古した汚いオノでした。
金の斧 銀の斧 異聞
ある日二人はおじいさんの実家へ貰った建築端材を置きに行きました。
「なあばあさん 棚が一杯になったのでもう一つ棚を作らな いけんのぉ。」
「それじゃここを片付けてもう一つ作ることにしましょうかぁ。」
二人は使わなくなった法事用の茶碗や火鉢やはしごなどいっぱいあった不要品を片付け
始めました。最後にブリキ板で作られた行李(収納箱)が残りました。
「この中には何が入って居るんじゃろぅ」
「開けてみましょうかぁ」
じいさんは少しさび付いた蓋を開けてみました。
すると・・・
行李の中から神様は・・・現れてきませんでしたが
「お前の欲しかったのはこの金の斧か?」
「いえいえそれは金の斧ではありません」
「お前の欲しかったのはこの銀の斧か?」
「いえいえ銀の斧ではありません。」
「普通の鉄の斧でございます。」
・・・・タラタタタ~タン・・・・
じいさんは使い古した鉄の斧を手に入れた。
何十年もこの中に入っていたと思うが
ちょっとしか錆びていないのが不思議だった
ぴかぴかに磨いてやった。